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技術・理論・経営の学びが凝縮された2日間/NPO法人日本ヘアカラー協会 JHCA 20th ANNIVERSARY EVENT 2015

技術・理論・経営の学びが凝縮された2日間

20周年記念講演

 NPO法人日本ヘアカラー協会(長谷栄次2015年度委員長)が設立20周年を迎え、東京都品川区の品川プリンスホテルで昨年11月16日(月)に記念講演、17日(火)にセミナーが開催された。
 初日の冒頭、挨拶に立った長谷委員長は来場者に謝辞を述べた後、「20周年を迎える事が出来たのは、ひとえに我々の活動に賛同して下さった協賛メーカー各社様、サポートディーラー各社様、そして全国の各エリアでヘアカラーの追求を頑張ってきた仲間たちのおかげ」と述べ、本年度のテーマ『MAKE YOUR BEAUTY 美しく輝く貴女のヘアカラーデザイン』のもとに「技術、知識、デザインをしっかり学び、個々のサロンで発信していたトレンドを協会から発信していきたい」と抱負を語った。また2日間にわたる記念イベントについて、「とにかく学び、持ち帰って、サロンでしか手に入らない価値を通して女性を美しくできるよう、実りある2日間になれば」と期待を寄せた。
 続く記念講演では、同協会の設立発起人である今井英夫氏(ima
ii)、柿本榮三氏(kakimoto arms)がそれぞれ壇上で「ヘアカラーの変遷とこれからのヘアカラーを語る」をテーマに協会設立からの20年を振り返り、発足の経緯や自サロンをカット中心のサロンから専属カラリストがいるサロンに変換した理由などを語った。
 今井氏は海外のサロン視察等を通してヘアカラーの時代が来る事を直感し、柿本氏らと共にヘアカラーを勉強する会(現在のJHCA)を作ったものの「初めの頃はセミナーの受講者が3人という日もあった」と当時を振り返りながら、カラーをもっと勉強しなくてはいけないと全国の美容師に説き続けた結果、賛同者が徐々に増えて20年が経過したと話した。また「日本人をもっと美しくしたい」と語り、そのためにやらなくてはならない事がたくさんある、と結んだ。
 柿本氏は「かつてのkakimoto armsはカットサロンだった。カットだけではこれからの時代に通用しないと、長いあいだ悶々としていた中で何が足りないのかを考え続け、カラーが望まれていると感じた」と話し、前例が無かったカラリストの育成や、ホイルワークが爆発的な人気を呼んだ経緯などを明かした。カラリストに人生を賭けさせる事をはじめスペシャリスト養成の裏側を語ったほか、ヘアカラーをきっかけにネイル、アイラッシュ等へ自然発生的にニーズが増えていった実情などを語り、「美容師は上手になる事で成長する。切磋琢磨していく事が大切」と述べた。

実りある2日間にしたいと抱負を述べる長谷栄次・2015年度実行委員長
「日本人をもっと美しくしたい」と語る今井英夫氏
「切磋琢磨していく事が大切」と明かす柿本榮三氏

20周年記念セミナー

 翌17日(火)に午前11時45分から同会場で開催された20周年記念セミナーは、毎年秋に開催されているものを規模・内容ともにスケールアップ。同協会の20周年記念にふさわしいプログラムを展開した。ヘアカラー技術だけでなく、コンサルテーション、メイク&フェイシャル、メンズビューティ、ネイルにいたるまで、あらゆる知識とデザイン力の習得を目的とした31のクラスルームが行なわれた他、メイン会場では、豪華ゲストによる4つのマネジメントセミナーが開かれた。
 マネジメントセミナーの1部は、元スターバックスコーヒージャパン(株)CEOでLeadership Con
sulting代表の岩田松雄氏が講師を務めた。〝スタバ〟での経験から、組織にとってのミッション(使命)の大切さ、第五次産業=「感動経験産業」の在り方を説いた。
 2部の講師は、ukaバイスプレジデントの渡邉弘幸氏。6年半前にヘアサロン『uka』のマネジメントに携わるようになった当初、職人(美容師)と「話がかみ合わない」悩みを抱えていたという同氏。アンケートによる徹底した顧客ニーズの数値化と、ニーズをサービスに即、昇華できる仕組みを構築し、組織の一体感を取り戻した経緯を話した。また、異業種とのコラボによって組織の体力を増強し、お客様の「嬉しいことの多い店」という絶対価値を高めていく独自戦略についても語った。
 3部の講師は、RT HAIR CRE
ATION代表の山本晋爾氏。創業42年、血縁関係のないサロンを事業継承して15年の同氏は、地域(高知エリア)で必要とされるサロンであるための人材育成・顧客創造の考え方を伝えた。
 4部の講師は、FELICITA代表の佐藤肇氏。「サロンを支えてきたのは、経営ではなくお客様」という同氏は、デザイン力とお客様を笑顔にすることを突き詰めて考えてきた18年間の想いを語った。
 20サロンによるヘアカラーコレクションの後、JHCAを代表する2サロン、kakimoto arms、im
aiiのセミナーが行なわれた。
 kakimoto armsは、3つのホイルワーク技術を解説した後、「サロンにしか表現できないブレンドカラー」「ワクワクできる新鮮な提案」など、ホームカラーに対する5つの手立てを示した。
 imaiiは、1年を通じてヘアカラーデザインを〝育てる〟ことによって、唯一無二のデザインで長く支持される考え方を説明した。
 以上をもって午後5時過ぎに全プログラムを終了。充実した内容と質の高さで、ヘアカラーの範疇に留まらない学びに満ちた一日となった。

従業員と顧客双方の幸せを追求する経営について語るukaバイスプレジデントの渡邉弘幸氏
美容師の礎となるお客様への想いを語ったFELICITA代表の佐藤 肇氏
kakimoto armsはホームカラーに対抗する5つの手立てを披露
imaiiは年間を通じてヘアカラーデザインをつくる「HLBO」サイクルを説明した
2015.11.16
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