美容室まわりの雇用と労務、開業の方法、さまざまな権利などについて、気になる疑問を解決します。

A.有線・テレビ・ラジオの音源をそのまま流す以外のBGMは有料
店内のBGMとして、市販の音楽CDを流す場合、著作権者の許諾を得ることが必要になる。ほとんどの楽曲については、JASRAC(一般社団法人日本音楽著作権協会)に使用を申請し、年間使用料を支払うことで権利処理をすることが可能。年間の使用料は下記の表の通り。
また、ヘアショーなどイベントで音楽を利用する場合も著作権使用料が発生し、上演時間、入場定員、入場料の有無、使用曲数によって額が決まる。
有線放送など、BGMの音源提供事業者から受信する音楽の利用では、通常著作権は発生しない。これは、音源提供事業者がJASRACと契約を締結しているため。該当する事業者については、JASRACのウェブサイトで確認できる。また、FMなどのラジオ放送をそのまま流す場合には、特別な手続きは不要だが、放送を録音して流す場合や特別な音響設備を利用する場合は手続きが必要になる。
なお、デジタル音楽プレーヤーやパソコンに取り込んだ音源を無許可で流すことは、許容されている「私的使用のための複製」「営利を目的としない演奏」の範囲を超えた違法行為にあたる。

からつ・まみ/弁護士・ニューヨーク州弁護士。1996年に弁護士登録。ハーバード大学にて法学修士課程修了後、英国系法律事務所と国内事務所を経て、2018年より高樹町法律事務所所属。著作権分野に精通し、関連の執筆・講演・メディア取材も多数。