美容室まわりの雇用と労務、開業の方法、さまざまな権利などについて、気になる疑問を解決します。

A.廃棄損・評価損の計上による資産圧縮をおすすめします。
● 帳簿から外すメリット………
在庫は、それが売れる・売れないにかかわらず、帳簿上では資産として計上され、経費にはならない。
そのため、長期にわたって売れない在庫(不良在庫)は、廃棄損・評価損を計上することにより、在庫金額を減らすことを検討した方がよい。
具体的には、廃棄処理や単価の引き下げなどによって、その在庫金額を減少させる。廃棄で失った在庫金額を「廃棄損」、値引いた分の在庫金額を「評価損」という。これらは費用として利益から差し引かれるため、

が節税できる。
● 帳簿から外す条件………
単に在庫単価の引き下げをしたり廃棄処分したりするだけでは、それを費用化できない。右の条件に当てはまることが必要。
在庫単価の引き下げや廃棄の際は、評価損明細を作成・取得しておくと、税務調査が入った際の証明となる。
● 費用化できる例………
① 災害により著しく損傷したこと。
② 著しく陳腐化したこと。
・いわゆる季節商品で売れ残ったものについて、今後通常の価額では販売することができないことが、それまでの実績やその他の事情に照らして明らか
・用途は大体同じだが、型式、性能、品質などが著しく異なる新製品が発売されたことによって、今後通常の方法により販売することができなくなった
③ ①②に準じる特別の事実があること。
こばやし・としみち/税理士小林俊道事務所代表。税理士・ファイナンシャルプランナーとして、美容室をはじめ多くの個人経営企業で顧問税理士を務める。著書に『ケースで理解する 交際費・接待費の税務ポイント』(ぎょうせい)など多数。